車の免許では、マニュアルトランスミッション車(=以下MT)よりもオートマチック車(=以下AT)のほうが取得しやすいことが一般的に知られています。また運転技術面でもATのほうが楽で簡単だと言われています。

ところが、二輪に限っては「MTのほうが難しいよ」「いや、ATのほうが…」とその意見が真っ二つに分かれます。この理由はいったいなんなのでしょうか。

これから普通二輪免許を取得予定で、なおかつMTにしようかATにしようか悩まれている方に向けて、<どちらが難しいか論争>が起こる理由を挙げてみたいと思います。

どうみてもATのほうが簡単でしょ?

「ATは全自動のお任せ運転。スロットルをひねれば前に進むんだから、絶対MTより簡単なはず」。そんな声をよく耳にします。

普通自動二輪免許の取得にあたって、「MTはクラッチやギアチェンジが難しそうで怖い。自分はクルマもAT限定だし、バイク免許も同じくAT限定がいいな」とお考えの方も多いことでしょう。

ですが、ちょっと待ってください。たしかにATバイクは操作が楽です。

仕組みとしては、いわば自転車にエンジンが付いたようなもの。バイクの側で自動でクラッチ操作やギアチェンジなどの面倒な動きをすべて行ってくれるのですから、ライダーは頭を使わず、ただバランスを取って乗るだけでOKなのです。

ではATの何が「難しい」のかというと…

AT限定普通二輪は、免許取得が“ある意味”難しい!

たとえばあなたが「スクーターにしか興味がないからAT限定がいいな。MTより取得費用も授業時間も少なくて済むし」とAT限定普通二輪免許に申し込むとします。ところが、ほとんどの教習所内の道路は、じつはMT向けの規格で作られています。

教習に使われるAT限定普通二輪免許用の400ccバイクは、MT教習に使われるバイクよりも重く大きく、そのわりにタイヤ径は小さめ&ホイールベース(前輪と後輪のあいだの距離)も長いことから、どうしてもS字やクランクでの取り回しがしづらくなります。

いっぽう、MTバイクはクラッチやギアなどの操作面をクリアすれば、ATバイクよりも操作性が良いため、難関とされるS字やクランクでの転倒率は低くなります。

MTバイクのクラッチ&ギア操作を「難しい」と感じる人は「MTのほうが難しい」と感じ、ATバイクの取り回しの悪さを「難しい」と感じる人は「ATのほうが難しい」と感じる。それが、各免許の難易度への意見が分かれる大きな理由なのです。

まとめ

クルマの免許をAT限定で取得している人にとっては、MT操作を難しく感じることでしょう。しかし、安易にAT限定を選ばないほうが賢明です。なぜなら、MT免許を取ることで、MT/AT両タイプの二輪に乗ることができるからです。

いっぽう、AT限定普通二輪は運転自体はラクですが、免許を取るときに取り回しの面で厄介な思いをする上に、免許取得後にはスクータータイプの二輪にしか乗ることができません。いろんな意味で<門の狭い免許>だといえます。

費用や授業時間の面では、MT/ATにさほど大差はありません。AT限定普通二輪免許のほうがいくらか安く授業数も短いでしょう。

しかし、AT限定普通二輪免許取得は取り回し面で“ある意味”難しく、試験に落ちて延長するケースも多いため、けっきょくMT免許のほうが早くて安く済むこともあるのです。

そんなわけで、ATバイクに乗りたい人にもMTでの免許取得がオススメなのです。